―― ファッションを好きになったのはいつ頃ですか?
高塩 小学6年生のときに洋裁が好きな祖母に連れられて、はじめて自分で服を選びにショッピングに行ったときです。それまではファッションに無頓着だったんですけど、たくさんの服を見たときに世界が広がったような気がしました。
お気に入りのブランドのブラウスでワンカラーコーデ
ピンクの舞妓さんヒールと蝶々ソックス。独特な組み合わせが好き
―― 高塩さんのファッションはガーリーファッションを好んで着ている印象がありますが、その頃から好きな系統は同じですか?
高塩 根っこにあるのは。自分が幼いときに感動したものって、大人になっても残り続けるのかなって思うんですよ。だから、範囲は広がっていくにしても根本にある好きな系統って私は変わってないんですよね。少し幼さが残る今の私のファッションは、小さい頃からずっと好きなままです。
80年代アニメが好き。キャラクターのヘアカラーを再現することも
―― ファッションを進路として考え始めたのも早かったですか?
高塩 そうですね。中学生のときにはもう、洋服のことばかり考えていました。ファッション業界に進むこともそのときからずっと決めてて。当時は、デザイナーとかパタンナーとかスタイリストとか、どの職種かは絞ってませんでしたけど。ただ、自分が着たいと思える服を自分で作りたいって夢は持っていました。
自作のフレアパンツ
―― それで今、服飾を学んでいるわけですね。実際に服を作るときに意識していることはありますか?
高塩 意識しているのは、自分の服を伝えたいターゲットを明確にすることです。Instagramなどを使って、自分と似た属性の人のニーズをリサーチすることで、より服のコンセプトがはっきりしてきます。それが結果的に、自分が着たいと思える服を形にすることに繋がるんですよね。ブレずに最後まで作りきれるポイントだと思ってます。
自分のオリジナルブランドの展示
オリジナルテキスタイル(布地)を制作するために集めたリボンテープ素材
―― 高塩さんが感じるファッションの学校の面白さは何ですか?
高塩 ファッションの学校ってすごく個性的な人が多いです。クラスメイトが普段着ている服も様々ですし、ひとりひとりが好きなファッションの系統も異なるので、それこそ授業の中で同じテーマで服を作るときも全然違ったものになります。クラスメイトが作った服の「こういう部分がいいな」とか「次はこの要素取り入れてみようかな」とか、学べることがたくさんあって。周りから刺激を受けて自分の表現の幅が広がっていくのが面白いです。
企画したアイテム1
袖のファスナーを開けるとオリジナルのテキスタイルが見える仕様。リボンも結べて手刺繍もついている
企画したアイテム2
ブルゾンはフードのファスナーを下ろすと襟に変形。ベルトは袖のたれ具合を調節可
―― それがまた、新しい創作に繋がっていくんですね。最後に、高塩さんの思うファッションのチカラは何でしょうか?
高塩 自分の表現を最大化させてくれるのが、ファッションのチカラだと思います。例えば、スナップをSNSで発信するとき、自分が気に入ったのじゃないとまず投稿しませんよね。もっと言えば、服がかわいいことは絶対条件です。自分がかわいいと思える服を着て、自分の表現を最大化して発信する。もちろんそれは自信にもなりますし、同じ系統を好む誰かとSNS上でお互いの好きなものを共有できる。視覚だけで最大限の自分の表現を伝えられるファッションは、やっぱりいいですね。