ファッション学生×Talk

「ファッションを学んだから生まれた目標」

同じ高校で学び、同じ専門学校に進んだ2人のファッション学生にインタビュー。今回は、ファッションをデザインと服飾の観点から学ぶ佐久間さんと、店舗運営やマーケティングなどビジネスの観点から学ぶ荒井さんに迫った。

佐久間 パウラ サリナ さん(左) [千葉県立佐倉東高等学校出身]/ファッションデザイン専攻科

1年生の頃に外部コンテストに応募し、入選。今も学内、学外問わず様々なファッションコンテストにエントリーし、挑戦を続けている。

荒井 たまき さん(右) [千葉県立佐倉東高等学校出身]/マーチャンダイジング専攻科

ファッションビジネスについて学びながら、自身のアクセサリーブランド「1031Market」を立ち上げて、商品の制作からプロモーションまでを行う。


2020年に行われた対談です。

「小さい頃からファッションは身近な存在でした」

―― 2人がファッションを好きになったきっかけは何ですか?

佐久間 気づいたときにはファッションが好きになっていました。幼稚園に通っていた頃の冬の時期、親に「寒いからタイツを履いていきなさい」って言われても、そのときの自分はタイツを履きたくなかったから、「長い靴下でいい!」って聞かなかったことを覚えています。その頃から自分で着るものは自分で決めたいって意思があったのかもしれないです。

荒井 私にとっては”ラブandベリー”1がファッションを好きになるきっかけでした。ファッションアイテムが描かれたカードを組み合わせて、コーディネートをして、おしゃれ度を競うっていうゲームなんです。私たちの世代は通ってきてる人多いんじゃないかな。

佐久間 私もやってた!ショッピングセンターに行ったときはいつも。

荒井 だよね!集めたカードを学校で友達と交換したのも思い出です。ファッションの入口としては、やっぱりそれが大きかったですね。

1 ラブandベリー…オシャレ魔女♥ラブandベリー。2004年~2008年にかけて展開された、株式会社セガ・インタラクティブ開発のアーケードゲーム。ゲーム開始時に排出されるカードを組み合わせてゲームをプレイする。

「ファッションがずっと好きだったからこそ選んだ進路」

―― ファッションの分野に進もうと思ったのはどうしてですか?

佐久間 ファッションも好きだったし、絵を描くのも好きだったから、それを組み合わせたときに「そうだ。ファッションデザイナーになればいいんだ」って。それが小学校の高学年の頃。中学に入ってからはその目標に近づくために美術部に入りました。そして服飾を学べる高校に入学して。高校で服飾を学ぶなかでも自分の将来像は変わらなかったから、自然とファッションの分野の専門学校に進もうと思い、今に至ります。

―― 幼い頃から途中で目標を変えずにファッションデザイナーを目指し続けるのは、なかなかできることじゃないと思います。

佐久間 一回決めたら曲げたくない性格なのかなって(笑)。たまき(荒井さん)は?

荒井 興味のあることがずっとファッションしかなくって。中学3年の受験期、高校に進学することを考えたとき、自分が頑張れると思った分野はファッションだけだなと。そしたら運良く、千葉県にあるファッションに特化した佐倉東高校2を見つけて。

―― 2人は同じ高校出身ですよね。

佐久間 はい。入学前に見たファッションショーの影響は大きかったよね。

荒井 そうそう。ファッションショーをやってみたいと思って、それが決定打になった感じです。私も高校時代は服を作ることが多かったのですが、専門学校に進学する頃には将来の目標がはっきりしてきたので、それを踏まえてビジネス的な観点からファッションを学ぶ学科に進むことにしました。

2 佐倉東高校…千葉県立佐倉東高等学校。千葉県佐倉市城内町にある服飾デザイン科を持つ高等学校。

「自分の好きな授業で得られるもの」

―― 2人はそれぞれ別の学科で学んでいますが、好きな授業は何ですか?

フィールドマーケティングでリサーチする荒井さん

荒井 フィールドマーケティングの授業が好きです。学校の外に出て、実店舗に行ってリサーチをします。それぞれの店舗で行われている工夫や、対応を勉強させていただいて、もし自分がお店を持つならどういうところに気をつけるべきかのヒントを得ています。授業内で店舗計画を作っていく中で、そうして得たヒントを取り入れつつ、自分の理想の店舗のイメージが膨らんでいくのがとても楽しいです。学ぶことも多いし、実際に足を運ぶと気持ちも高まります。

 

 

佐久間 私はスタイル画の授業と服飾の授業が好きです。授業だけど自分の時間みたいなところもあって。制作に集中できます。スタイル画はiPadで描くこともあります。家でもよく描いてますね。授業ではファッションアイテムや使用する生地、テーマに縛りがある中で、スタイル画を描くこともあります。ちなみに、これはギャザー3っていうテーマを与えられて描いたものです。最近描いたスタイル画の中でもお気に入りの1枚です。

ギャザーをテーマに描いた佐久間さんのお気に入りのスタイル画

―― 青色のグラデーションが綺麗で光ってるように見えますね。

佐久間 良かった(笑)。ホログラムっぽい感じを色鉛筆で出そうと工夫しました!

3 ギャザー…レディースファッションのウエストや袖口によく見られる布を縫い縮めて寄せるひだ、あるいはそれを作る技法。

「クラスメイトと一緒にいるのが楽しい」

―― それぞれのクラスの印象はどうですか?

ハロウィンのときに撮影した佐久間さんとクラスメイトの写真

佐久間 どんなことでも楽しむ、明るいクラスって印象があります。例えばハロウィンのときは、先生の分もディズニーのカチューシャを持ってきて、写真も撮って。ハロウィンだったらハロウィン、ファッションショーだったらファッションショーみたいに、みんなで楽しもうって気持ちが強いクラスです。

ポッキーの日に撮影した荒井さんとクラスメイトの写真

荒井 何でもない毎日が楽しいと思えるクラスです。クラスメイトみんなが濃いので(笑)。理由もないのに放課後ずっと学校に残って、他愛のない話をして、クラスメイトと過ごすそんな毎日が好きです。だから、感染症のせいでしばらく学校が休校になったときは寂しかったですね。

「自分に負けたくないから挑戦し続けるんです」

―― 佐久間さんは外部のファッションコンテストに積極的にエントリーしていて入選もしていますね。挑戦し続けるモチベーションをどうやって維持しているのかが気になりました。

「日暮里ファッションデザインコンテスト2018 公益財団法人 荒川区文化復興財団 理事長賞」を受賞した佐久間さんの作品

佐久間 たぶん、モチベーションを維持しようとは思ってないんですよね。ただ、負けず嫌いで始めるとのめり込んでしまうから続いているんだと思います(笑)。寧ろモチベーションが低いところから入ることもあります。次第に上がっていくパターンですね。はじめて入選したのが1年生のときなんですよ。1年生のときの自分に負けたくないなって、だから頑張ろうって気持ちになるのかなって。

―― 「負けたくない」とか「悔しい」って気持ちがバネになることは多いですよね。

佐久間 絶対そう!私、負けて悔しくて泣いちゃったことありますもん(笑)。小学校のときは短距離走が得意で、走ること自体が得意なんだって思い込んでたんですけど、長距離走をやってみると全然できなくて。現実知らされたときにめちゃくちゃ悔しくて。小さい時からそういう性格で変わってないから、今も挑戦し続けていられるのかなと思います。

「運営するショップと一緒に自分も成長していく」

―― 荒井さんは自身のアクセサリーブランドを立ち上げたそうですね。

荒井さんが運営するアクセサリーブランド「1031Market」のオンラインショップ

荒井 はい。店舗運営を学んでいると、自分のお店を持ちたいって気持ちになるんです。でも、すぐに店舗を持つなんてできないし。そう考えたときにやってみようと思ったのが、アクセサリーブランドを作ってそれらを売るオンラインショップを運営することでした。コンセプトを決めて、アクセサリーをハンドメイドで作って、販売までしています。

―― 集客に関しても取り組んでいることはありますか?

荒井 SNS広告を運用しています。WEB SHOP管理4の授業で学んだことを活かして、今自分ができることをいろいろ試してみています。実際に商品が売れたときは最高に嬉しいです(笑)。新商品を出して売れるたびに、ショップと一緒に自分も成長している感じがします。ゆくゆくは自分が本当にやりたいことに繋がると信じて取り組んでいます。

4 WEB SHOP管理…織田ファッション専門学校のマーチャンダイジング専攻科の授業。WEBショップについて学び、実際に授業の中で自分でも制作・運用を行う。

「いつかの目標のために今できることを」

―― 2人のこれからの目標を教えてください。

佐久間 デザイナー職とパタンナー職を中心に経験を積んで、将来はブランドを経営する側にも立ってみたいです。自分ができることは色々やってみたいんです。周りにいる友人達も、みんな口には出さなくても、キャリアアップを考えている人は多いんじゃないでしょうか。ファッションって専門的な技術や知識が関わる分野だし、そういう傾向があるのかな。これから経験していくことが自分の将来に繋がったらいいなって思います。

荒井 古着屋を経営したいです。高校生の頃はぼんやりと、いつか古着を扱うお店を持ちたいなと思っていたんですけど、織田ファッションでより深くファッションを学んで、自分が好きな服の系統も定まってきて、その気持ちは日に日に強くなっています。古着もオリジナルアクセサリーも扱うお店を持つのが今の目標です。

「個性はその人自身が持つ魅力。派手さや独特な雰囲気は関係ない」

―― ファッションを学んでいくなかで、考え方や価値観に変化はありましたか?

佐久間 同じテーマに対してであっても、捉え方がひとりひとり違うなと思わされます。そして、そこから創られる服も全然違うものになることを日々実感しています。これはファッションを学ぶ前はあまり感じたことがなかったです。

荒井 「個性」っていう概念が自分の中で変わったように感じます。ファッションにおいての「個性」とか「個性的」って、どこか派手だったり独特な雰囲気だったりを連想しませんか?私も以前は派手で独特な人が個性的だと思っていました。

―― 確かに、世間一般的に見るとそういうイメージを持ってしまいがちなところはあるかもしれませんね。

荒井 ですね。でも、ファッションを学び始めて、織田ファッションに入学して、今のクラスメイトと出会って、「個性」はその人自身が持つ魅力的な部分のことを指すんじゃないかなと思うようになりました。派手じゃなくて、落ち着いた色味の服装を着ているクラスメイトもキャラ的には濃いと感じるし、自分のファッション貫いてるなって感じます。ファッションの学校って奇抜な服装の人ばかりじゃないです。でも、みんな自分を持ってるのは事実かなと思います。

佐久間 めちゃくちゃ名言だ(笑)。そうだよね。服を作るにしても、たまき(荒井さん)にしかできないデザインもあれば、私にしかできないデザインもあって。それは、自分のファッションを貫いていくうちに、いつの間にか個性になってる。今はInstagramとかPinterest5とか、自分の好きだと感じるものが集まってくる場所もあるわけだし、自分を探しながらファッション分野に興味を持つのもアリだと思います。

5 Pinterest…Pinterest, Inc.が運営する画像を共有できるサービス。自分の好きな画像を集めてボードを作成したり、他の人のボードを閲覧したりできる。

―― インタビューお疲れ様でした!

 

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