―― 小嶋君がファッションを好きになったきっかけを教えてください。
小嶋 母の影響ですね。昔から母はトレンドに敏感で、ファッションに対する意識も高かったんです。当時の流行りの音楽、もちろんファッションにもしっかり触れていて。それを理解した上で服選びをしていました。そのときに母がかっこいいと思った服を自分にも着せてくれていました。
Bestie Print Shirt
―― お母様と自分の服のセンスも合ってたんでしょうか?
小嶋 それは間違いなくありますね。自分に着せてくれた服も、実際に母自身が身につけていたファッションも、幼いながら「かっこいいな。センスいいな」と思っていました。それは今当時を思い返しても同じように思います。
Bestie Remake Pants
bestie Knit Cap
―― 感覚の合う人が自分の身近に居たっていうのは大きいですよね。また、小嶋君は音楽も好きですが、そこからも影響を?
小嶋 はい。音楽が自分のファッションのスタイルに与えた影響も大きいと思います。例えば今日のスタイルだと、ヘアはドレッドなのでヒップホップ系ですけど、着ている服はどちらかと言えばパンク寄り。プリントされているロゴは、サイケデリックやテクノっぽいイメージがあります。苦手なジャンルは特に無いので、いろんな要素をミックスさせたコーディネートをすることが多いです。
Bestie Print&Paint boots
―― それは小嶋君とご友人とで立ち上げたブランド「Bestie」にも表れていると思います。まず、この「Bestie」というブランドについて教えてください。
小嶋 「Bestie」はアンダーグラウンド感をコンセプトにしたファッションブランドです。BestieはBest Friend「親友」の略で、現地ではスラング的な使い方をされます。ブランド名としては、このブランドのファッションを身につけた人たちは全員仲間という意が込められています。hip hop、punk、Rockなどの音楽ジャンルを融合させた要素も含んでいます。
Bestie Logo
Bestie Graphic
―― なるほど。商品の生産や販売方法はどのようにしていますか?
小嶋 一点一点、ハンドメイドで作っています。友人と2人で取り組んでいます。オンラインショップは常に稼働していて、それに加えてポップアップショップでの販売も機会があれば行っていますね。口コミで広がって商品を買ってもらうことも多いです。ニッチですが「Bestie」が提供するファッションを求める人は確実に居るので、その方たちにピンポイントで届いているように思っています。
Bestie Remake Pants
Bestie Hoodie&Sweat Pants
―― 2人で制作して販売まで行うっていうのは、正直大変じゃないですか?
小嶋 今の規模だったら何とかやれてますね。あと、基本的には自分たちが作りたいと思ったもの、表現したいと思ったものを商品として形にしているので、悩むことはありますがやり続けることに迷いはないです。もしこのブランドが大きくなったり、新しい展開をしようと思ったりしたときはまた別の手段を考えるつもりでいます。あくまでも最初のステップがこの、ファッションブランドとしての「Bestie」なので。
Seiga
―― ファッションブランドだけに留まらずにいけるところまでって考えはモチベーション維持に繋がりそうですね。最後に、小嶋君の思うファッションのチカラとは何ですか?
小嶋 その人の思考、内面を視覚的に伝えらえるものだと思います。「Best friend」の略である「Bestie」をブランド名にして、「このブランドのファッションを身につけた人たちは全員仲間」という意を込めたのも、そういう考えが自分の中にあるからかなと。実際に自分のこのコーディネートだからこそ、集まった仲間がいます。自分とセンスの合う人、思考の合う人を見つける手段として、ファッションは大きな役割を持っています。万人受けするファッションや思考でなくても、目をやるだけで、どこかにそのファッションや思考が合う同士がいる。それって、すごく面白いじゃないですか。