ズボン?パンツ?スラックス?全部同じもののこと?

実はそれぞれ特徴が違います!

下半身に身に着ける衣類の総称をボトムスと呼び、ズボン、パンツ、スラックスは、いずれもこの中の一種です。はっきりとした定義を知らない人も多いので、それぞれの意味をしっかり説明できるようになっておくと、ファッションの話題や自分の服選びにも役に立つことがあるかもしれません。 この記事では、それぞれの由来、特徴などを紹介します。

ズボン

幕末から明治にかけて、日本に洋装が広まりましたが、ズボンはそれと同時期に登場した言葉で、洋袴という漢字があてられています。 また、ズボンはjupon(ジュポン)というフランス語が由来とされていますが、このjuponは、女性がスカートの内側にはくもので、日本ではペチコート(英語)と呼ばれているものです。 女性が使うものが語源ではあるものの、日本では20世紀後半になるまで、女性がズボンをファッションとして着用することは一般的ではありませんでした。屋外での作業用に男性がはくズボンのサイズを直してはいたことがきっかけで広まっていったといわれています。 また、ズボンの語源として、はく時の様子を「ずぼんとはく」と表したことから付いた名称だという、別の説もあります。

基本的に脚を片方ずつ入れる二股の衣類をズボンと呼んで間違いではありませんが、流行の移り変わりが激しいファッション業界では、古臭いと捉えられることもあります。

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パンツ

アンダーウェアの意味も持つパンツ。紛らわしいですが、どちらも間違いではありません。 英語でpantsと書き、イギリスでは下着、またはタイトなズボンを指します。一方、アメリカでは長ズボンのことを指し、どちらの国の使い方も日本に入ってきたため、同じ言葉が二つの意味で使用されています。

語源はフランス語のpantalon(パンタロン)で、ズボンの意味です。これがイギリスに伝わった時、下着の意味を持つようになりました。 ちなみに、イギリスではズボンの意味でtrousers(トラウザー)という言葉もあり、日本でも徐々に広まってきています。

パンツは、日本では長らく下着の意味で認識されてきましたが、1980年代に有名ブランドが、新商品の長ズボンにパンツという名称を用いたことをきっかけに、長ズボンのオシャレな呼び方として広まっていったとされています。 そのうち、パンツは日本で独自の使い方をされ始め、ショートパンツといった言葉も生まれてきます。他にも形や素材などで区別された、〇〇パンツというアイテムは多数存在し、ジーパン、チノパンなどの略称も使われるなど、ズボンと同義の言葉として市民権を獲得しています。

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スラックス

「ゆるい」、「ゆるんだ」という意味を持つslackという英語が語源となっていて、元々はゆったりした長ズボンを指す言葉として使われていました。 日本ではブレザーやジャケットなどの上着に合わせるズボンという意味合いが強い衣類で、一般的に「カジュアルすぎないフォーマルな要素のあるズボン」というイメージを持たれています。脚を入れる筒状の部分にセンタープレスが入っているのが特徴です。
スーツなどのズボンにゆとりを持たせたデザインが多かったため、この呼称が広まっていきました。ただし、今日では上下セットのものには使われず、スーツのズボンをスラックスと呼ぶことはありません。 また、最近では幅が狭く、スッキリとした形状のスラックスも登場しています。

まとめ

ズボン、パンツ、スラックスは、それぞれに明確な定義はありません。使い分けは流行やブランディング、個人の感覚による部分も大きく、曖昧なものです。 使う人や状況によって変わるという要素も大きく、たとえばファッションへの関心が強い人はズボンという言葉を使いたがらなかったり、多くの年配の方は「パンツは下着」というイメージを持っていたり、またビジネスシーンではスラックスという言い方が好まれたりします。
迷った場合は、下半身に身に着ける衣類の総称である「ボトムス」という言葉を使ってみるのもよいかもしれません。それぞれの言葉のイメージに捉われすぎず、自然でTPOに合った言葉選びを心掛けてみてはいかがでしょうか。

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監修 織田ファッション専門学校 教員

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