「ファッションが身近だった家庭。ずっとファッションデザイナーになりたかった」
―― 益子さんがファッションに興味を持ち始めた時期やきっかけについて教えてください。
益子 衣装製作の仕事をしていた祖母の影響です。小さい頃にドレスを作ってくれたのがとても印象に残っていますね。母も私の服を選ぶのが大好きで、色んな服を着させてくれていました。
―― ご家族がファッションの仕事に就いていたり、ファッションが好きだったりしたことが今の益子さんの進路に繋がっているのですね。
益子 はい。祖母の部屋には洋服を作る機械がたくさんあって、それが興味深くてずっと入り浸っていました。プロ意識が高い祖母をとても尊敬しています。
―― そのような環境で育ったとなると、ファッションの仕事に就きたいと考え始めた時期も早かったのでしょうか？
近未来の百鬼夜行をテーマにデザイン
益子 小学校1年生のときにはもう。その頃、シャボン玉でできた服の絵を描いたことがあって、こんな自由な服を作ることのできる仕事はファッションデザイナーしかないと思い、ずっと夢見ていました。自分の将来像を発表する場で話していたのもいつもファッションデザイナーでしたね。
―― 益子さんのブレない芯の強さはもちろんですが、ご家族も益子さんの夢を応援し続けてくれていたのかなと感じました。
そして豚革を使って実物作品に
益子 そうですね。私の夢を肯定してくれていたんだと思います。今に至るまで家族に支えられているんだなって実感します。
「ファッション学生たちはこんな目線でショッピングします！」
―― そして同じ目標を持ち続けたまま進学することになるわけですね。これはファッション学校あるいはファッション学生ならではと思うことは何ですか？
休日はお洒落して散歩へ 1
益子 ファッション学生が服を買いに行くとき、普通の人とは違った目線で服を見るようになります。どうしても仕様が気になるんです(笑)。
―― 仕様ですか？詳しく聞きたいです。
益子 わかりやすいところでいうと生地が薄いのか厚いのか、マニアックな部分だと縫い目の始末や裏地の処理の美しさなんかも気になります。これ、私だけじゃないですよ(笑)。ファッション学生なら大体そうだと思います。
―― 確かに一般的によく見られる部分ではなさそうですね(笑)。実際に学んでいるからこそ、気づけるのだと思います。
休日はお洒落して散歩へ 2
益子 そうですね。高級な服の素晴らしい仕立てを目にしたときは興奮します。先生と一緒にお店を訪れることも勉強になります。マーケットリサーチっていう授業があって、先生が懇意にされているアパレルショップに皆で足を運ぶ機会があるのですが、先生の分析能力の高さにいつも驚かされますね。
「一本の糸のように繋がるファッションの学び」
―― クラスメイトも先生も皆ファッションが好きで、同じ目線で楽しめる環境は良い刺激になりそうです。ところで、益子さんの好きな授業は何でしょう？
益子 いくつかあるのですが、服飾の授業は最初苦手だったけど好きになった授業のひとつです。
―― それは難易度的な部分で？
1年生のときに古着をリメイクして製作した作品
益子 どちらかと言うと、気持ち的な部分ですね。どうしてもファッションを学ぶ前のファッションデザイナーのイメージって、絵を描くのが仕事っていうのがあったんですよ。何でデザイナー志望なのにパターンを引かないといけないんだろう。なんで服の一部分を縫う練習をしないといけないんだろうって。
―― と思っていたのが変わっていった？
授業で制作しているオリジナルブランド
益子 そうです。オリジナル作品の制作が始まると、デザイン以外の知識や技術が活きてくるんですね。これまでは気が進まないと思っていた学びが、自分がいざ作りたい服を作ろうとしたときに選択肢を広げてくれます。
―― 自分の表現したいものに繋がってくると、ひとつひとつが面白く、興味深く見えてきそうです。
コンテスト出品用に製作した作品
益子 いつの間にか楽しい授業になっていました。他にも最新の3D CAD（CLO）も力を入れて学んでいます。アパレル最先端の技術に学生のうちから触れられる環境は嬉しいですね。
「まもなくファッションデザイナーに。そして、憧れの祖母への報告。」
―― 3D CADも業界では主流になりつつありますから、きっと益子さんのキャリアにも活きてくると思います。そして、内定おめでとうございます！
一からデザインして創り上げたトレンチ風コート
益子 ありがとうございます！まさか本当になれると思っていなくて、内定通知書をいただくまではドッキリなんじゃないかと疑いもしました(笑)。運もよかったのかなと。
―― 夢を諦めずに持ち続けて、日々の作品製作に真摯に打ち込んだからこそ、その運さえ手繰り寄せたんだと思います。来年4月からファッションデザイナーとしてキャリアがスタートしますね。
ボタンホールを斜めにしてあるのがポイント
益子 嬉しさと不安が混ざったような気持ちです。もう今の時点で肩を並べたい人がいます。まずはそこから努力します。
―― 就職も新しい一歩ですよね。ご家族の喜びが想像できます。
益子 はい、喜んでくれたと思います。特に祖母は憧れの存在なんです。私が過去に作った作品の至らない点をすぐに見抜くくらい。だから、彼女に報告することは私にとって特別でした。感謝しきれないです。
―― ご家族に良い報告ができたこと、教職員としても嬉しく思います。来春からの益子さんの活躍が楽しみです。残りの学生生活も謳歌してください！
先輩が学んだ学科
在校生と直接話してみよう！
織田ファッション専門学校の
オープンキャンパス!
ファッションアイテムを製作
ファッションの仕事を体験
