今年の卒論のテーマは例年とは異なり、世界中の関心ごとの一つ、SDGsについてです。17つある開発目標を、ファッションビジネスの力で達成できないかと、学生それぞれが研究し発表しました。

若々しい感性で、地球や社会、苦しむ人々を思った素敵な発表会となりました。

【金賞受賞】八王子が桑都（そうと）と呼ばれていたころへ
SDGs 開発目標 [No.8 働きがいも経済成長も][No.11 住み続けられるまちづくりを]

かつての八王子は、桑都（そうと）と呼ばれるほど、桑畑が多く存在し、養蚕や絹織物産業が盛んでした。
八王子に、絹織物の産地としての賑わいを取り戻すファッションビジネス提案です。この計画で雇用創生、労働人口の増加と事業収入増による八王子の税収増加が見込まれ、八王子はさらに住みやすく働きやすい街となります。

【銀賞受賞】ITTEN　MONO　～捨てられるモノに新しい価値を～
SDGs 開発目標 [No.12 つくる責任 つかう責任]

アパレル廃棄問題に着目した学生が多かった中、単なるリサイクルやリユースではなく、ファッション商品の本来の魅力ついて言及しました。
捨てられ行く服はファッションではなくただの道具。ファッションはもっと着る者の心を揺さぶるような、デザイナーのメッセージが伝わるモノ。この世に二つとないあなただけの一点物を提案します。

【特別賞受賞】日本の森林を活かそう！～サステナブルな学生服と作業着～
SDGs 開発目標 [No.15 陸の豊かさも守ろう]

世界の森林は減少傾向にある一方、日本の森林はスギの森林が伐採されず増加傾向にあります。このスギの森林蓄積を手入れし、守ることで発生する間伐材から木糸を作り、林業従事者の作業着と林業を目指す学生の学生服を生産し販売します。結果、日本の森林は守られ私たちの暮らしと学びに貢献します。

1年近くにわたる卒業論文制作を通じ、学生たちのSDGｓへの関心は増し、世界情勢や経済、人々の暮らしぶり、地球環境に対峙できるようになりました。その視点を持った彼らの、ファッションビジネス業界での活躍を期待します。